自宅マンションで合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優沢尻エリカ被告(33)の判決公判が6日、東京地裁(滝岡俊文裁判官)で行われ、懲役1年6月、執行猶予3年の判決が言い渡された。

沢尻被告は1月31日の初公判で、起訴内容について「間違いありません」と認めていた。法廷では大麻やLSDなどを19歳のころから使用していたことが明らかになり、薬物を断ち切れなかった過去や交友関係について「全ては幻、全てが害だった」と話す場面もあった。弁護人質問では、薬物使用や関係する交友関係を14年近くにわたって断ち切れなかった理由について「自分の中で薬物をコントロールできると思っていましたが、それは大きな間違いで、気付いたら薬物を制するより、薬物に制される状態でした。心の底から後悔しています」と反省の弁を述べていた。

検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。

起訴状によると、昨年11月16日に東京・目黒区の自宅マンションで、カプセルに入ったMDMAを含む粉末約0・19グラム、LSDを含む紙片約0・08グラムと液体約0・6グラムを所持したとしている。同12月6日に起訴され、直後に保釈保証金500万円を納付して保釈され、その後、新宿区内の総合病院に入院した。

 

◆沢尻被告の事件経過

▼19年11月16日 警視庁がMDMAを所持したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕。目黒区の自宅マンションでMDMAを発見。

▼同19日 沢尻容疑者は「MDMAは数週間前にイベント会場でもらった。これまでに大麻やLSD、コカインも使った」などと供述。使用時期についても「10年以上前から違法薬物を使用していた」と説明。

▼同20日 尿を警視庁の科学捜査研究所で鑑定したところ、MDMAを含む違法薬物の成分は検出されなかった。

▼同26日 沢尻容疑者と共同して合成麻薬MDMAを所持したとして、警視庁が麻薬取締法違反の疑いで知人男性を逮捕したが、12月20日に不起訴処分に

▼12月6日 東京地検が沢尻エリカ被告を起訴。保釈金500万円を納付して保釈。東京・新宿区内の総合病院に入院し薬物治療を開始

▼20年1月31日 東京地裁(滝岡俊文裁判官)で初公判。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審