「異邦人」の大ヒットで知られ、84年に引退した歌手久保田早紀(現・久米小百合、61)が、36年ぶりに1日限りで復活することが6日、分かった。

6月7日に東京・品川区のきゅりあん大ホールで開催される「ミュージック・モア otonanoコンサート」に出演、デビュー40周年の節目の復活となる。

久保田は79年に「異邦人」でデビューした。シルクロードをイメージした楽曲で「子供たちが空に向かい 両手をひろげ…」と歌い140万枚を売り上げた。結婚を機に、84年末に約5年間の活動で引退した。その後、信心深いクリスチャンだったことから、本名の「久米小百合」で賛美歌などを通じてキリスト教を伝える音楽宣教師となり、「久保田早紀」は封印した。

復活のきっかけは、引退前に所属していた現ソニー・ミュージックエンタテインメントが、「久保田早紀」のデビュー40周年記念BOXを企画。数年前から久米とコミュニケーションを取ってきた。その過程でライブ依頼も続け、40周年のタイミングで実現した。

「ミュージック・モア otonanoコンサート」は、大人向けの良質なコンサートで、ソニー・ミュージックダイレクトとTOKYO MXが主催する。「久保田早紀」としての36年ぶりの「異邦人」や、ゴスペルも歌唱予定だ。司会はクリス松村で、共演は同時代の“盟友”で、最近再注目の渡辺真知子(63)。コンサートの詳細は8日の同局の音楽番組「ミュージック・モア」(土曜午後6時59分)で発表される。

40周年記念BOX「SAKI KUBOTA PREMIUM」(CD9枚+ブルーレイ・ディスク1枚、税込み2万4200円)は1月31日に、ソニーミュージックショップ限定で発売された。「夢がたり」から「夜の底は柔らかな幻」までの7枚のアルバムを最新音で完全収録。初商品化の楽曲や、引退コンサートのCDと映像もある。写真満載のブックレットに掲載されたロングインタビューでは「今、社会の中核を担っている同時代を生きた皆さんに、何かをお届けできたら幸いです」とコメントしている。

◆久保田早紀(くぼた・さき)本名・久米小百合。1958年(昭33)5月11日、東京生まれ。共立女子短大卒。81年にキリスト教の洗礼を受ける。85年に俳優で声優の久米明氏の次男で音楽家の久米大作氏と結婚。「異邦人」はピンク・レディー、中森明菜、庄野真代、徳永英明、石井竜也、B,zの松本孝弘とZARD、藤あや子ら多数の歌手がカバーしている。