上方落語の重鎮で「手話落語」を手がけた4代目桂福団治(79)が26日、神戸新開地・喜楽館で「芸歴60周年記念3DAYS」(3月16~18日)の取材会に出席した。

60年に3代目桂春団治さんに入門。60年を振り返り「泣いたり笑ったり怒ったり、夜も眠れん思いも、最高に喜び、感激もあった。何のつらい思いもない。楽しいにすべて変わってる」と振り返った。

73年に4代目福団治を襲名。77年に声帯ポリープの手術で約3カ月間、筆談で過ごした。一時声を失った経験から「手話落語」を独自に開発した。「声が出なくなった後に『手話落語』をやった。それが60年の中で1番、後になってやってよかったこと」と話した。

今年10月26日で80歳になる。健康に気をつけていることを聞かれると「余計なことをせんと自然のままで生きてる」と答えた。「小春時代に拳法やマラソンをやったりしたけど、晩年になってきて自然の方がどこも悪くない」と説明した。

80歳の目標は「もう1回結婚できたら」と笑わせた。

80歳からの落語は「話が途中で混乱するとか起こりうるかも。でも心配してない。自然のままで間違えたら間違えたとき」。

今後、100歳まで落語をやるのはどうかと聞かれると「そのままでそこまで到達したら最高でしょうね。みんな体のこととか考えてやってるけど、僕はそんなこと考えていない」と自然体でいることを繰り返した。