音楽座の高野菜々(30)が音楽座ミュージカル「サンデイ」(7月23~26日、東京・草月ホール)に主演する。

推理作家アガサ・クリスティの「春にして君を離れ」が原作で、幸せな家庭を築いた主人公ジョーンが娘の看病の帰り道に砂漠で足止めとなり、その中で過去の真実と向き合う。初演は2年前。高野は「見た方がものすごく喜んでくれた。目の前で起こることの大切さを感じ、この作品に出会えて幸せだった。音楽座の目玉作品にしたい」。

故郷広島市の市民ミュージカルで活動。宝塚音楽学校に2度挑んだが、合格せず、08年に音楽座に入った。初舞台の「マドモアゼル・モーツァルト」に主演し、「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」「泣かないで」と主演が続き、「ジョーンはおごり高ぶった女性だけど、私も共感するところがあった」と振り返る。「泣かないで」で主役の森田ミツに共感できず、演じるのが嫌だったという。「ダメ出しで、なめる姿勢がダメなのよ、と言われた。その時から自分はどうでもいい、作品が良ければと思えるようになった、初めてミツになれたと思った」。

声優としても活動する。「今回、初めてゼロから立ち上げた作品に主演した。音楽座は心が浄化し、人生を心豊かにしてくれる作品が多い。音楽座に恩返ししていきたい」。5月27日に大阪、6月17日に名古屋、同25日に広島で上演する。【林尚之】