男女3人組ロックバンドのスピラ・スピカのボーカル幹葉(みきは)が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、メジャーとして初のフルアルバム「ポップ・ステップ・ジャンプ!」(3月18日発売)をPRした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国で開催予定だったリリースイベントの延期や中止が続く中、「悔しさを前に進む力に変えていきたい」と笑顔で話す幹葉。バンド名の「スピカはおとめ座で最も明るく青白く光る一等星。どんな暗い道でも希望の光で導くという願いを込めて付けた名前。聴いてくれる人の手を引いてあげられるバンドになりたい」。

直接元気を届けることができないもどかしさもあるが、アルバムタイトルには「飛躍したい願い」も込めて、元気いっぱいの13曲が収められた。

「今はアルバムを世に出すという目標が形になってうれしい。聴いた人が自然と笑顔になれるような曲を集めました。聴くだけで、ホップ・ステップ・ジャンプしたくなるような名刺代わりの1枚です」と、滑らかなしゃべりで紹介した。

アルバムにはシングル5枚も収めたが、冒頭の「スタートダッシュ」はテレビアニメ「ガンダムビルドダイバーズ」のエンディングテーマにもなった自身のデビュー曲。「アニメ界とロック界の懸け橋になりたい」と目標を話すが、この曲がきっかけとなり、ガンダム好きのスキマスイッチ常田真太郎がスピラ・スピカに注目、6曲目の「一番星、みつけたっ」をプロデュースすることになったという。ギター寺西裕二が元々スキマスイッチの大ファンということもあり、共通の知人であるプロデューサーを通じて、相思相愛のコラボが実現した。「常田さんのスタジオに3人で伺ったとき、とても緊張したのですが、すごく気さくに接してくれてうれしかった。その場で(幹葉の)声に合う音程に編曲していただいたり、ミュージシャンの先輩として音楽知識などを話してくれたり。いつかライブでご一緒したいです」と、大きな目を輝かせた。

アルバムタイトルにもなった「ポップ・ステップ・ジャンプ!」は、ライブを想定して作った曲だという。「私にとってライブは人生のご褒美のような時間。楽しい時間は、前へ進む力になると思うので、この曲はライブでみんなで盛り上がりたい」。

幹葉自身、昨年のツアーで初めて故郷徳島での凱旋(がいせん)ワンマンライブを行った。「徳島で応援してくれる方すべてが親に見えるというか、成長したところを見ていただきたかった。ライブハウスのファンとの距離感も近かったし、特別な空間でした」。サプライズで中学の部活の後輩や親族も駆け付けたという。

インタビュー中も「ほうじゃな~」(「そうですね」の意味)と徳島弁を連発する幹葉は、ライブでも楽曲とともに定評のあるMCで盛り上げる。「私たちのライブは初めての方に来ていただいても、1人も取り残すことがありません! ぜひアルバムを聴いてライブにお越しください」とまぶしい笑顔で話した。

6月にアルバム発売記念ライブを東阪で開催予定。5日は東京渋谷クラブクアトロ、19日は大阪梅田クラブクアトロ。詳細は公式サイト(https://spiraspica.com/)を参照。