新型コロナウイルス感染拡大の影響でさまざまな作品の公開延期が相次ぐ中、米倉涼子(44)が日本語版で声の主演を務める米映画「ブラック・ウィドウ」が11月6日に日米同時公開されることが21日、決まった。

もともとは5月公開を予定していたが、米国の感染拡大で配給元の米ディズニー社が3月に公開延期を決定。検討を重ねた末、11月の日米同時公開をこの日までに決断した。ブラック・ウィドウは米マーベル・コミックの人気キャラクターで、ハイテク兵器を身につけたロシアのスパイという設定。12年の「アベンジャーズ」以来、8作品で米女優スカーレット・ヨハンソン(35)が演じ、日本語版では全作品で米倉が吹き替えを担当してきた。同じ12年に始まったテレビ朝日系連ドラ「ドクターX」シリーズと並び、8年間にわたって米倉がこだわってきた役柄だ。

ヒーロー軍団の一員という位置付けだったこれまでの作品と違い、「単独主演」でその過去にまでスポットがあたる。27年間所属していたオスカープロモーションから3月末に独立。再始動したばかりの米倉にとっても念願の大仕事だ。しかも、昨年の「アベンジャーズ/エンドゲーム」でシリーズ終了の形がとられていただけに思いはいっそう強い。

米倉は「もうお別れかと思っていたブラック・ウィドウとこういった形で再会することができ、とてもうれしく思います。しかも今回は彼女自身のストーリーということで、改めて彼女に向き合う機会を楽しみにしています。心と気合を込めて吹き替えさせていただきます!」と心中を明かしている。

今回の作品では、孤独な暗殺者だったブラック・ウィドウがヒーロー軍団の一員になるまでのいきさつが描かれ、スパイ・アクションの色合いも強いという。小気味よい米倉の語り口はまさに映像にぴったりだ。

○…アイアンマンやキャプテン・アメリカら個性派ぞろいの「アベンジャーズ」シリーズで、ブラック・ウィドウは「まとめ役」として異彩を放ってきた。反目し合うスーパー・ヒーローたちを「家族」と呼び、常に団結を呼びかける役割だ。孤独なロシア・スパイからの転身の裏には何があったのか。この作品ではそのカギとなる家族も登場。日本語版では実力派声優が脇を固める。

父役は「ONE PIECE」黒ひげ役の大塚明夫。母役は「攻殻機動隊」草薙素子役の田中敦子。妹役は「ヒーリングっど■プリキュア」ダルイゼン役の田村睦心。調達屋としてウィドウを支えるメイソンを「ドラえもん」スネ夫役の関智一がそれぞれ担当する。

※■はハート