7日に新型コロナウイルスの診療に関わる医師へのインタビューを放送したテレビ朝日系情報番組「グッド!モーニング」(月~金曜午前4時55分)が12日、取材内容と異なる趣旨の報道をされたとする同医師からの指摘を受け、番組内で改めてインタビューの模様を放送した。

MCの坪井直樹アナウンサー(50)は「日本は疑わしい人だけにPCR検査をする、世界的にも珍しい政策をとっていた」とする渋谷泰介医師の発言を、PCR検査の遅れを指摘する別の学者の主張の直前に放送したため「結果として渋谷医師もPCR検査をただちに増やすべきだと主張する印象となりました」と7日放送のVTRについて説明。その後改めて渋谷氏のインタビューを紹介し、PCR検査数を増やすことが医療崩壊につながることへの懸念や、マスクや防御服など医療資源の不足、また家族へ感染させないため自主隔離を続ける医療従事者への金銭的援助の必要性などを訴える同氏の発言を伝えた。

坪井アナは「私たちは医療現場の声の部分を、放送につなげるその受け止めをおろそかにしていた。この部分については大変おわびいたします」と謝罪し、「私たちも、今後より丁寧に放送に努めてまいります」と話した。番組では「このような形になってしまいましたが、メッセージを届けることができて十分に満足しております」とする渋谷医師からのコメントも紹介された。

同番組は7日、ベルギーで心臓外科医として働き、現在一時帰国して日本で医療活動を行う渋谷氏へのインタビューを放送。渋谷氏は「今の段階でPCR検査をいたずらに増やそうとするのは得策ではない」とする自身の主張が、番組側の編集により「真逆の意見として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました」などと放送後に自身のフェイスブックで訴えた。また「編集で取材内容とはかなり異なった報道をされてしまい、放送を見て、正直がくぜんとしました」とコメントしていた。