サザンオールスターズがデビュー記念日の25日、横浜アリーナで、無観客配信ライブ「サザンオールスターズ 特別2020『Keep Smilin’~皆さん、ありがとうございます!!~』」を行った。

サザンとしてのライブは昨年約55万人を動員した6大ドームを含む全国ツアー以来、約1年ぶり。今回「ABEMA」「GYAO!」など8つの配信メディアで有料配信し、チケットは約18万人が購入。推定視聴者は50万人を超え、昨年のツアー動員数に匹敵する最大規模のライブとなった。

録音された歓声に乗ってメンバーは登場。オープニング曲では「YOU」を披露した。3曲目の「希望の轍」は歌詞を「大変な毎日をご苦労さま 今日は楽しく行きましょう」と変え、コロナ禍で戦う全ての人をねぎらった。

桑田佳祐(64)は「みんなのおかげでデビュー42周年を迎えられました。日々コロナと闘っている関係者の皆さまへの感謝と敬意を表して、ここ横浜アリーナからライブをやらせてもらいます」と話した。

無観客の客席に向かって、「アリーナ! 2階席!」と呼びかけると、最後に「画面越し!!」とコール&レスポンスを行った。

広い会場には40台のカメラを設置し、さまざまなアングルから楽しめるようにした。「真夏の果実」では客席に置かれたリストバンド型ライトを点灯し、「東京VICTORY」では客席の真ん中に聖火台を配置するなど、無観客ならではの演出も行った。

「マンピーのG★SPOT」で桑田がかぶるかつらにはアマビエと「疫病退散!!」のメッセージを記し、コロナ終息を願った。

本編最後となったデビュー曲「勝手にシンドバッド」では「いつになればコロナが 終息するのかな!? お互いにそれまでは グッと我慢の暮らし続けましょう」と歌詞を変え、メッセージを送った。サンバダンサーは、無観客ならではの観客席で踊った。

アンコールで桑田は「長い時間ありがとうございます。健康を大事にして感染予防を」と呼びかけると「手を洗うのは気持ちが楽になります。ヒーリングですね。癒やし効果があります」と話した。その後、「早くワクチンを作ってもらえますように。治療薬が出来ますように。我々も願っています」と語った。最後は「ファンのみんながいないと寂しいです。こんな寂しい横浜アリーナは初めて。待ってるよ!」と画面越しのファンに呼びかけた。

また、同ライブ公式アンバサダーに就任したお笑いコンビのさまぁ~ずに対しても、「みむちゃん、おおたけちゃん、チケットの買い方とかいろいろありがと~!」と感謝した。

約2時間の公演で全22曲を披露。普段と何ら変わらないパワフルなステージで新たな1歩を踏み出すと同時に、エンタメ界再始動ののろしを上げた。

   ◇    ◇    ◇

桑田は3月下旬、コロナ禍でエンタメ業界が打撃を受ける中、民放101局を巻き込んだラジオ企画「おうちでRADIO~こんな時こそラジオでSMILE~」を実施。“何か音楽で出来ることはないか”と考えて行動に移していた。サザンとしては「Keep smillin’~“出来ることから”ちょっとづつ~」をスローガンに掲げた特別企画を開始。ミュージックビデオの公開やWOWOWでの「サザンオールスターズ・桑田佳祐スペシャルDAY」の12時間無料放送などを行ってきた。