デビュー10周年の女優小宮有紗(26)が「小宮有紗フォトスタイルブック io(イオ)」(bis編集部)を来月5日に発売する。「io」はイタリア語で「私」の意味。10周年の「10」にも見える。

128ページのボリュームあるスタイルブックは初の下着姿、幼少期の写真、そしてモーニングルーティン、得意の料理など豊富な写真とエピソードで満載だ。「26歳の現在までの私の全てが詰まっています。パラパラと流し読みはできませんよ」と笑う。「自分のファン層じゃない人にも見てもらいたい。この1冊を機に活動範囲を広げていきたい。新たな挑戦です」と話している。

中学2年の時に東京・渋谷のスクランブル交差点でスカウトされた。栃木の実家から「習っていたバレエに役立つだろう」と週に1回の演技のレッスンに通った。16歳で女優デビュー。テレビ朝日系の戦隊もの「特命戦隊ゴーバスターズ」のイエローバスターズなど着実な歩みを見せていた。

大きな転機は自分で動いた。「『ゴーバスターズ』でレジェンド級の声優さんとアフレコをやって『こういうすごい仕事があるんだ』と憧れを持ちました」。声優挑戦の希望に事務所からは「女優として中途半端になる」と反対された。「絶対やってやる」と強い気持ちでアニメ、歌、舞台のメディアミックスアイドルプロジェクト「ラブライブ!」シリーズの声優オーディションを受けて合格。16年のアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で黒沢ダイヤ役で声優初挑戦。

それに先駆けて結成された声優ユニット「Aqours(アクア)」のメンバーとしてCD発売。18年には特別枠でNHK「紅白歌合戦」出場を果たした。「結果的にめちゃめちゃ大きかった。女優としての幅が広がったし、声優をやりたいと思ったら大きなステージやライブがセットになっていました」と振り返った。

声優挑戦は、さらなる意欲を生んだ。「もっといろいろな仕事をしてもいいじゃないかという気持ちになれた。モデルもやりたいという気持ちになれたし、昨年の秋から始めたDJは下手なりに全力でやっている。何をやっていてもみんなつながっている、だからやれるものは全て必死です」と言う。

来月15日公開の「13月の女の子」では映画初主演。引っ込み思案の女子高生役を演じる。「下手に気負うと空回りしちゃう。意識せずにナチュラルに頑張りました」と話している。広げた幅の1つ1つを着実にこなしていく。「『ラブライブ-』という作品に出合えたことは大きい。それがなかったら、多分10周年を迎える前にやめていたと思う」。自らの強い意志で、道を切り開いてきた。これからも、それは続く。

◆小宮有紗(こみや・ありさ)1994年(平6)2月5日、栃木県生まれ。10年に舞台「へなちょこヴィーナス」で女優デビュー。11年映画「高校デビュー」。12年テレビ朝日系「特命戦隊ゴーバスターズ」でイエローバスターズ。16年アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で声優初挑戦。趣味は漫画。特技はダンス、イラスト。