フリーアナウンサー生島ヒロシ(69)の長男で、俳優の生島勇輝(36)をインタビューした。健康マニアで「アンチエイジング師匠」と呼んでいる、父親のことは20年以上取材している。次男の翔(35)は何度か取材したが、長男は初めてだ。

父親は、いつも元気で、逆にこっちの健康状態を心配されて励まされている。会長を務めている生島企画室は、ここ数年で所属タレントが増えて、100人近くなった。その父が最近、口にするようになったのが「息子たちの道筋をつけてやりたい」ということだった。

勇輝は、今月6日から始まったテレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」(日曜午後9時)で、子連れイクメンライダーの仮面ライダーバスターを演じることになった。50年に及ぶ「仮面ライダー」シリーズも、最近は主人公の仮面ライダーだけではなく、仲間のライダーも登場するようになった。でも、家庭を持って子育てをしながら、いざとなると変身して戦う仮面ライダーは、半世紀の歴史でも初めて。

役者になって10年目で「今年ダメだったら違う方向を考えようと思っていた」と、背水の陣で今年に臨んでいた勇輝も「まさか、この年でライダーに変身できるとは」とびっくりしながら、喜んでいた。

ちなみに、勇輝が子供の頃に好きだったライダーは、88年の「仮面ライダーBLACK」だという。主役の倉田てつをは、91年のNHK朝のテレビ小説「君の名は」で鈴木京香の相手役を演じた。記者が当時、倉田をよく取材していたことを話すと、勇輝は目をキラキラさせて聞いていた。

勇輝で一番印象に残ったのは「オヤジも今年の暮れには70歳。そろそろ結婚して孫の顔を見せて親孝行してやりたい」という言葉。記者の父親は先月92歳の誕生日を迎えたが、コロナ禍で実家には“出入り禁止”となっている。59歳になって定年まで1年を切り、いまだに独身の記者にとって勇輝がうらやましく思えた。

今度の休みの日には、せめて抗体検査を受けて、なんとか実家に帰って一目だけでも両親の顔を見てこよう。そんな思いを抱かせてくれた生島勇輝の取材だった。【小谷野俊哉】