前回、当コラムで女性5人組ユーチューバーアイドル「おこさまぷれ~と。」(以下おこぷれ)について書いた。今回もおこぷれの話になるが、アラフィフおじさんがなぜはまったのかという、極めて個人的な話になります。

おこぷれは、毎日投稿アイドルを掲げる、ちゃき(23)りあら(21)しゅがー(21)ゆいにゃ(21)のぴ(20)と全員が20代前半。17年12月のチャンネル開設以来、毎日動画投稿を続け、現在の登録者数は36万人を超え、女性グループとしては最大級だ。主にメンバー同士でドッキリを仕掛け、その反応を動画で展開している。また、アイドルとしてMVもアップしている。

おこぷれにはまった理由は「アイドルなのに身体を張ってそこまでやるか!?」というギャップもあるが、アイドルとして活動に共感というか、過去の自分を重ねた部分があるのだ。

彼女たちはアイドルとして全国ツアーを行っているが、その多くを車で移動している。その道中や宿泊先などでもドッキリやモニタリングなどの動画を撮影しているが、思い返すと、似たようなことを自分もやっていたのだ。

80年代の日本は、空前のバンドブームだった。自分もミュージシャンを夢見てバンド活動をしていた1人だ。自分たちは全国ツアーが出来る程の実力はなく、関東近郊と規模は小さくなるが、金欠バンドマンの移動はもっぱら機材車に相乗りだった。その間にビデオを回し、「デビューして売れたら秘蔵映像だな!」など夢物語を語っていた。メジャーデビューしたバンドも、アマチュア時代はそうやってツアーを回っていた時代だった。

悲しいかな当時は、YouTubeはもちろん携帯電話さえない時代。今のように自分たちの楽曲を聴いてもらう手段もなく、ライブで配るデモテープとライブを見てくれたお客さんの口コミだけが頼りだった。そのライブでさえオーディションがあり、仮に通過してもメインの夜の部にたどり着くには、昼の部で人を動員できることが必須条件だった。

自分がミュージシャンを目指したあの頃、もしYouTubeがあったら…。まあ、運も実力もなかったからデビュー出来なかったのだが(苦笑)。そんな過去の夢物語を彼女たちに投影したのだ。

本チャンネル、サブチャンネル、ゲーム実況チャンネルと1日3本の動画を毎日アップし、並行してアイドル活動を続けるおこぷれ。体を張って夢をつかみ取ろうとしている彼女たちには、その夢を実現させて欲しいと願う。