米朝一門の落語家、桂雀三郎(71)が22日、大阪市内で、毎年恒例の独演会(11月29日、大阪・サンケイホールブリーゼ)の取材会を開いた。

今年は1日2公演6席を行う。雀三郎は「6席は初めて。5席くらいはあると思うが、6席はなかったと思う。しかもこの年になってから。倒れるところを楽しみに来ていただいたら」と笑わせた。

演目は「口合小町」「胴乱の幸助」「けんげしゃ茶屋」「鬼の面」「二番煎じ」「夢の革財布」。6席になったことで演目を考え直し、「当日の全体のバランスを重視した」と語った。

新型コロナウイルスによる自粛期間中は「大阪城へ毎日散歩して『口合小町』をぶつぶつ言いながら歩いていた」という。落語は約4カ月披露する場がなく、再開直前には「着物を着たり、座る稽古をしたり…。そういうところから確認した」と振り返った。健康法として「歩けるときは歩いている」と明かす。

71年3月に故桂枝雀さんに入門。来年3月4日に、50周年の独演会を大阪・天満天神繁昌亭で開催する予定だという。「落語をやめたくなったことはない。よかったのは定年がないこと。前を向いていつまでも元気ならやれる」と言う。

今後の目標は「よりおもしろい落語をやりたい。もっとおもしろくなりたい」と意気込みは増すばかりだ。