門脇麦(28)と水原希子(30)が5日、都内のEXシアター六本木で開催中の東京国際映画祭で上映された映画「あのこは貴族」(岨手由貴子監督、21年2月26日公開)舞台あいさつで、互いを「格好良い」と褒め合い、照れた。

「あのこは貴族」は、山内マリコ氏による同名小説の映画化作品。門脇は東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない主人公の箱入り娘の華子、水原は富山で猛勉強し、名門大学に合格して上京も、学費が続かず夜の街で働くも中退した美紀と、それぞれ全く違うタイプの女性を演じた。

門脇は「典型的なお嬢さんという役には台本、原作を読んでもしたくなかった。地の文のキュートさを、取り入れられないか考えた」と役どころについて語った。映画は前半が華子、後半は美紀を中心に描かれ、高良健吾(32)演じる良家に生まれたハンサムな弁護士の幸一郎が、結婚相手を探す華子と大学の同級生だった美紀を巡り合わせる物語だ。それだけに、門脇は「現場も(水原と)すれ違ったりしなかったので、美紀のパートの想像がつかなかった。(後半は)違う映画かな、というくらいで、希子ちゃんが軽やか、伸びがある作品。ふっと2人が交わる瞬間、こういう映画だと納得し、やっとつながった。希子ちゃんが最高に格好良く、すてき」と語った。

水原は門脇の褒め言葉がうれしかったのか、上半身を軽くツイストさせるように振って、笑みを浮かべた。そして、作品と役どころについて「撮影は2、1、3…年前? その時、役と私がすごくリンクしている感じがして。そのタイミングで自分も起業したので。撮影中、発見もあったし、あの時の自分にしか出来なかった特別な瞬間が詰まっているので、思い入れがある」と語った。その上で「私も華子のシーンが想像つかなかった。堅い世界で生きているんだけど、タイトルの時の表情が何とも言えない。あれだけで引き込まれちゃう。とても魅力的で麦ちゃん。格好良いと思った」と門脇を褒めた。

2人の言葉を聞いていた高良は「格好良いのは、見たら分かる…ねぇ」とほほ笑んだ。水原は「違う世界で生きているんだけど、交わる瞬間の美しさ…そういう時間を共有できたのは素晴らしい。女の子の映画なんだけど、全人間が共感できる美しさが詰まっている映画」と作品を評した。