米大統領選で歴史に残る大激戦の末に民主党のバイデン前大統領が勝利を確実にした裏で、ケンタッキー州のある小さな市で行われていた市長選が大きな注目を集めている。米CNNによると、同州ラピットハッシュ市の市長選で次期市長に選ばれたのは、生後6カ月のフレンチブルドッグのウィーバー・ビーストだったという。

これはフェイクニュースではなく本当の話で、人口500人弱の同市では1988年から犬を市長に選ぶ選挙が行われており、NBCテレビによるとこれまで人間の市長が誕生したことは1度もないという。大統領選に合わせて4年に1度行われる市長選は、今回の大統領選同様に現職のピットブルテリアのブリネス・ポールトロと激しい戦いが繰り広げられたが、接戦の末に現職が破れる形となったという。

市長選に立候補するには飼い主がラピットハッシュから徒歩1時間以内に住んでいることが条件だが、投票は市民に限らずに世界中どこからでも1ドルで投票ができるとCNNは伝えている。集まった資金は街の保全に充てられ、今回の選挙では2万2985票が投じられたという。過去最多となる1万3143票を獲得して当選したウィーバーの飼い主エイミー・ノランドさん(43)は「大統領選や新型コロナウイルスなどネガティブなニュースが連日メディアを賑わす中で、ウィーバーの立候補がポジティブな話題になればと思って立候補を決めた」とコメントしている。ウィーバーは5代目市長として、さっそく多くのメディアの取材を受けるなど大忙しだという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)