9月に大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕、起訴された俳優伊勢谷友介被告(44)の初公判(村田千香子裁判長)が1日、東京地裁で開かれ、検察は懲役1年を求刑した。同被告は法を犯している認識はあったとした一方、海外では大麻が合法の国もあるとして「誰かを傷つける犯罪ではない」と語るなど順法精神の甘さをのぞかせた。一方で逮捕で生じた損害賠償に自己資産の大半を費やし、今後の見通しも立たないと明かした。裁判は即日結審し22日に判決が言い渡される。

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伊勢谷被告は、今後の俳優業、芸能活動について「関わっていた映画、撮影した映画も撮れなくなり今後の見通しが立たない」と語った。10月30日公開の「とんかつDJアゲ太郎」(二宮健監督)、11月6日公開の「十二単衣を着た悪魔」(黒木瞳監督)は、出演シーンのカットや再編集は行わず予定通り公開された。逮捕前に人気漫画原作の大作映画の撮影を終えていたとの一部情報もあるが、同被告は法廷の場で、そうした待機作の公開や新作の撮影への参加、出演が困難な状況であることを吐露した。その上で「勉強してきた芸術活動で時間を費やせたら」と、02年に大学院を修了するまで東京芸大で学んだ芸術の道に、人生の救いを求めたいと口にした。