第78回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが3日に発表され、デビッド・フィンチャー監督の最新作でネットフリックス映画の「Mank/マンク」が作品賞、男優賞、監督賞など最多6部門で候補入りした。

同作は鬼才フィンチャー監督が、ゲイリー・オールドマンが主演で史上最高の映画と評される「市民ケーン」(1941年)誕生の舞台裏を描いたドラマ。ネットフリックス作品初のアカデミー賞作品賞の呼び声も高く、オールドマンが男優賞、アマンダ・サイフリッドが助演女優賞に名を連ねている。

続く5部門にノミネートされたのは、同じくネットフリックス映画でベトナム戦争の反対運動を発端に抗議デモを企てたとして逮捕・起訴された7人の男たちの裁判を描いた実話「シカゴ7裁判」で、作品賞や監督賞などに名を連ねている。また、昨年8月に43歳の若さで大腸がんによって亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんが、遺作となった「マ・レイニーのブラックボトム」で男優賞の候補入りを果たし、外国語映画賞には米国に移住した韓国人家族を描いた「ミナリ」がノミネートされている。

新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンの影響で昨年は多くの新作映画が劇場公開を断念しており、今年の賞レースは本命不在と言われている。そんな中、ネットフリックスが全体の35%を占める断トツの22ノミネートを果たし、コロナ禍でストリーミングの強さを見せつける結果となった。

例年は1月上旬にビバリーヒルズで授賞式が行われていたが、コロナ禍で今年の授賞式は2月28日に延期され、ソーシャルディスタンスを確保するため史上初めて東西両海岸で行われることが発表されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)