宝塚音楽学校の卒業公演にあたる「107期生文化祭」(26~28日)の公開稽古が25日、会場となる兵庫・宝塚バウホールで行われた。文化祭は歌、日舞と洋舞、演劇など、予科、本科で2年間学んだ集大成を発表する場。

昨春の臨時休校時、オンライン授業や自主レッスンも経験した107期39人は、恒例の募金活動や、校外行事も取りやめになり、修学旅行先も県内に変更。本科生としては、この文化祭が、学校関係者以外の前でのパフォーマンスは「最初で最後」になる。

文化祭は正装の羽織はかま姿の日本舞踊で幕開け。娘役志望の西村あみのソロ歌唱で「清く正しく美しく」がスタートした。

ボーカル部門では、名作「うたかたの恋」を男役志望の今泉ねね、娘役志望の奥村幸加が熱唱。「ベルサイユのばら」「シトラスの風」など、芝居、ショーともに劇団ヒット作からメドレー形式で披露した。

芝居は、中世ヨーロッパを舞台にした悲恋を描き、A、Bの2パターンで上演予定。この日は、Aパターンで、山本麻里名が伯爵家の長男にふんし、幕開けでソロ歌唱に臨んだ西村あみが、ヒロインにふんした。

ダンスは、ジャズやタップにも挑戦した。

107期生は、競争率22・9倍の難関を突破して合格。昨春の緊急事態宣言時には、大正時代の1913年創設の同校でも戦後初めて、臨時休校。阪神淡路大震災のあった95年にも行われた後輩108期の入学式も延期され、本科生へと進級していた107期生は、オンラインで授業を受けるなどした。文化祭へ向けてのレッスンもグループごとで行うなど、感染対策に努めてきた。

コロナ禍も、同期一丸で乗り越え、文化祭のパンフレットには、107期生一同で「大きな試練や困難も、同期がいたからこそ、乗り越えられました」と、感謝の言葉を寄せた。

107期生は3月の卒業式を経て、6月に宝塚大劇場で開幕する宙組公演で初舞台を踏む予定。