「吉川英治賞」の授賞式が2日、都内で行われ、「第42回吉川英治文学新人賞」をNEWS加藤シゲアキ(33)の小説「オルタネート」(新潮社)が受賞した。武田綾乃さんの小説「愛されなくても別に」(講談社)も同時受賞した。

「オルタネート」は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった世界を舞台にした青春群像劇。加藤は同作で164回直木賞に候補入りし、2021年本屋大賞にもノミネートされている。

「吉川英治賞」は故吉川英治の偉業を記念して設立。故人の遺志を受け、1967(昭42)年に「吉川英治文学賞」「吉川英治文化賞」、1980(昭55)年に「吉川英治文学新人賞」、2015(平27)年に「吉川英治文庫賞」が設立された。

「-文学賞」は村山由佳さんの「風よ あらしよ」(集英社)、「-文庫賞」は今村翔吾さんの「羽州おぼろ鳶組」シリーズ、「-新人賞」は加藤と武田さん、「-文化賞」は石巻日日こども新聞、セカンドハーベスト・ジャパン、ルダシングワ真美氏が受賞した。

◆加藤(かとう)シゲアキ 1987年(昭62)7月11日、大阪府生まれ。青学大卒。99年4月ジャニーズ事務所入り。04年5月NEWSとしてデビュー。小説家として12年1月「ピンクとグレー」を発表。著作に「閃光スクランブル」「チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)」などがある。175センチ、血液型A。

◆「オルタネート」 高校生限定のマッチングアプリが必須となった世界の群像劇。料理部部長の蓉(いるる)、オルタネートを信奉する凪津(なづ)、高校を中退した尚志(なおし)の3人を中心に、若者の苦悩や恋愛、成長を描く。

◆吉川英治文学新人賞 作家吉川英治の偉業を記念して設立され、第1回は1980年(昭55)。選考は年1回、3月上旬に実施。大衆文学が対象となる。同時に「吉川英治文学賞」「吉川英治文化賞」「吉川英治文庫賞」も選考される。これまで北方謙三氏、伊集院静氏、宮部みゆき氏、浅田次郎氏、馳星周氏、伊坂幸太郎氏、恩田陸氏らが受賞。