「これ、良かったらどうぞ」。14年3月。17歳の誕生日を迎え、昼に栄のSKE48劇場、夜は当時兼任していた秋葉原のAKB48劇場で同日に行われた「生誕祭」終演後、ファンに配布していた手作りのミサンガを記者にもプレゼントしてくれた。「大切にしてくださいね」とちゃめっ気たっぷりに笑う姿は、17歳そのものだった。

一方で、ステージではストイックなまでに自分を追い込み、グループを引っ張る責任感をいつも強くにじませていた。多感な10代のど真ん中を芸能界という荒波の中で過ごし、さらに先頭を切って走るには、それが必要だったのだろう。

昨年12月、久しぶりにインタビューすると「めっちゃ久しぶりですよね!」と相変わらずの人懐こさは残しつつ、変化も感じた。同席したのは、まだSKEが出来た時には生まれていなかった林美澪(12)。珠理奈卒業後に「センターに立ちたい」と力強く話すのを聞いて、「いいじゃん!」と優しい目で見守る姿が印象的だった。「成長」とは一言では語れないくらい、珠理奈は大人になった。【大友陽平】