作品賞は、6部門にノミネートされた「ノマドランド」が、アジア系女性として初の受賞となったクロエ・ジャオ監督(39)の監督賞に続き、作品賞を獲得した。

主演のフランシス・マクドーマンド(63)は、リーマン・ショックをテーマにしたノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」の映画化権を17年に獲得。自ら製作に関わり、企業の破綻で仕事と家を失った60代の女性がキャンピングカーで生活し、短期労働で生計を立て、現代の遊牧民として新しい生活を探す旅に出る姿を描いた。スピーチでは「ぜひ、大型の映画館で私たちの映画を見てください。隣に仲間がいる状況で、この映画を見てください」と口にして、ほえた。

「ノマドランド」では、主演のマクドーマンド以外は、実際にノマド生活を送っている人々を起用したことも話題となった。ジャオ監督は「真実の優しさを見せてくれた方、ありがとうございます」と感謝した。