モデルでタレントの山口厚子(25)が、動画サービスABEMAの新番組「水溜りボンドの青春動画荘」(金曜午後10時)で、自身初のレギュラー出演をしている。9人組ガールズグループNiziUのリーダーで妹のMAKO(20)に背中を押されて芸能界に挑戦し、テレビやラジオなどで幅広く活躍中。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、初レギュラーや、将来について語った。

   ◇   ◇   ◇

番組は、水溜りボンドや、はじめしゃちょーらトップユーチューバーが、次世代ユーチューバーたちに、動画製作にまつわる課題やノウハウを伝授し、育てあげる育成ドキュメント。山口を含めた男女8人が共同生活をしながら、ともにスターを目指す相方探しにも挑戦する。念願の初レギュラーだった。

「最初決まったときは素直にうれしかったです。新企画なので、どうなるんだろうっていう期待とワクワクと、多少の心配な部分はありました。この番組を自分のものにしようって思いました」

現在も撮影が続いており、共同生活の中、仲間とミッションに挑戦している。

「本当に撮影期間は寝不足になるので、大変です。でも、仲間がいるからこそ、頑張れます。頑張ろうとしか思えない。やらなきゃって。コンビだから、相手のために、いかに自分がどうできるかっていうのを考えつつやっているので、楽しいです。充実していて、青春しています」

福岡県出身の25歳。昨年4月に、YouTubeチャンネル「福岡産のあっちゃん」を開設し、視聴者が親近感を感じる動画を投稿している。今回、番組ではコンビで活動するため、気付きもあった。

「1人でずっと動画を撮っていると、ちょっと自分がボケても、つっこみ役がいないんです。自分はもっと面白いと思っているけど、実際にそれが動画に出ていなかったりします。コンビを組むことで、自分の良さが少しは出たんじゃないかなって思います。1人じゃできないことが、2人になるとできるし、自分の個性も出しやすくなるんじゃないかなって思います」

番組スタート後には、SNSのフォロワーが増えたという。ずっと探していた個性についても、少しずつ答えが見えてきた。

「自分に個性がなくて、『私の個性って何だろう』っていうところからスタートしました。最初、お芝居を売りにしていたんですけど、YouTubeってお芝居だけじゃダメなんだなって思い始めてきました。最近だと、『THE・企画』みたいな、芝居だけに特化するのではなくて、例えばドッキリだったら、仕掛ける側でも、実はトークが必要だったり、自分が今までやったことがないことに挑戦できています。自分の個性も自覚はしてないんですけど、『天然だね』って言われます。でも、意識するとその良さが出にくいので『何も考えずにやって欲しい』と言われています」

出演にあたり葛藤もあったという。だが、今は目の前のことに全力で取り組んでいる。

「私がやっていることは、ユーチューバーまではいかなかったんです。ただ単に、日常とか、自分が出せる範囲でやっていました。だから、『出ていいのかな?』っていう葛藤が正直ありました。でも今は、本気で目指したいなって思っています。コンビを組んで、1つ1つの目標を立ててやっていきたいという意志がすごくあります。みんなと真剣にやっているからこそ、中途半端には終わらせたくないなって思います」

芸能界を目指したきっかけは、小学6年でモデル長谷川潤(34)に憧れたことだった。長谷川の自然な眉毛を見て、コンプレックスだった自分の眉毛も強みに思えてきたという。

「飾らない笑顔、自然体な姿に憧れて、自分もああいう人になりたいって思いました。だから芸能界っていうより、あの人になりたいっていうのが、最初でした。それで、長谷川さんがモデルをしていらっしゃったので、自分もモデルになりたいって思いました」

その時に、当時小1だったMAKOとダンスを始めた。自身は中3で辞め、英語系の短大に進学。グランドスタッフを目指したものの、苦戦し、地元福岡の和菓子店に就職した。「普通の人生を送ろうとしていました」と話したが、デビュー前の妹の姿に、もどかしさを覚える。

「就職して福岡にいる時に、デビュー前の妹と3カ月間、一緒に住む機会があったんです。妹は夢があって、大変だけど、キラキラしていました。一方、私はこのままいけば店長になれるかなって。それで幸せかなって考えたら、何か違うって思ったんです。短大の時に、東京にいる証しを残したいと思って、エキストラに参加したんです。その時に、女優さんの演技を見て『芸能界ってかっこいい』と感じました。それですぐ福岡で就職したんですけど、心のどこかで憧れが消えていなかったんです。心が動く感じが、すごく残っていました。それで妹に『どうしよう?』って相談したら、『お姉ちゃんがやりたいこと、やればいいやん』って言われて、じゃあもう1回、東京行って気持ち確かめてくると決めたんです」

上京後、多くのオーディションに挑戦し、昨年8月、現在の芸能事務所に所属。以降、YouTubeや、モデル、女優など、多岐にわたって活動している。今後については選択肢が多いため、迷っているという。しかし今は、番組に全てをささげる覚悟だ。

「いろいろやりすぎて、迷っています。正直、ここまで青春動画荘に対して打ち込めると思えていなかったので、今はYouTubeがすごく楽しいなって思っています。最終的に1人だったとしても、こういうことやりたいなっていうのが、だんだん浮かんできています。共演者の人と、編集のスタイルが違くて、そういう方法もあるんだっていうのを知ったりして、それを自分のチャンネルにも、取り入れようとしています」

憧れの存在には、女優石原さとみ(34)を挙げた。

「すごく真っすぐ人なだなって、インタビューを読んで思うんですよ。何に対しても、自分はこういう女性になりたいとか、なにか目標となる軸を持ちなさいっておっしゃっているんです。石原さんは『人を励ます人になりたい』っていう軸があって、その軸がぶれない。そこを目標としているからこそ、今、女優業をやっている。女優業じゃなくても、そのテーマに沿ったことができるなら、ほかにもやりたいって言っていて。その姿がかっこいいなって思っています」

では、山口の軸は-。

「『自分を通して、多くの人に元気と勇気を与えられる人になりたい』です。そのためだったら、どんなお仕事でもやりたいなって思っています」

飾らない笑顔も、魅力の1つ。いつまでたっても、変わらない“あっちゃん”でいたいという。

「結婚しても、ファンの人に愛されて、親近感を持たれる女性になりたいです。だんだん売れていくと、手の届かないような存在になるのがこの仕事のイメージなんですけど、それを覆したいです。いつまでたっても、『あっちゃん』って呼ばれるような存在でありたいです。結婚ですか? できれば、30歳までにしたいです!(笑い)」

山口厚子-。挑戦は始まったばかりだ。【佐藤勝亮】

 

◆山口厚子(やまぐち・あつこ)1996年(平8)4月16日、福岡県生まれ。20年日本テレビ系「踊る!さんま御殿」「今夜くらべてみました」出演。同4月、YouTubeチャンネル「福岡産のあっちゃん」開設。MBSラジオ「オレたちゴチャ・まぜっ!~集まれヤンヤン~」レギュラー。趣味は海外旅行、特技はダンス。157センチ、血液型A。