芸能界やスポーツ界、同じ業界で活躍する兄弟、姉妹は複数存在する。芸能界では、広瀬アリス(26)広瀬すず(22)姉妹、上白石萌音(23)上白石萌歌(21)姉妹たちが活躍中だ。そんな中、モデルでタレントの山口厚子(25)と、9人組ガールズグループNiziUのリーダー、MAKO(20)姉妹もその一例だ。

家族ということで、世間から比較されることが多い。どちらかが先にブレークすると、「○○の妹(または姉)」などという印象がつきやすい。本人はそれをどう感じているのか-。山口は「とまどいは、正直ありました」と、告白した。

山口は、動画サービスABEMAの「水溜りボンドの青春動画荘」(金曜午後10時)で、自身初のレギュラーで出演している。

番組は、水溜りボンドや、はじめしゃちょーらトップユーチューバーが、次世代ユーチューバーたちに、動画製作にまつわる課題やノウハウを伝授し、育てあげる育成ドキュメント。山口を含めた男女8人が共同生活をしながら、ともにスターを目指す相方探しにも挑戦する。

現在はテレビ、ラジオと活躍が光る山口だが、出演にあたり葛藤もあったという。1つは、これまで自身のYouTubeチャンネルでやっていた事が、「ユーチューバー」と同レベルまではいかないと感じたこと。

そしてもう1つ。「めちゃくちゃ、ひねくれていたんですけど」と前置きし、「妹が今、すごくブレークしていて。だからこそ『それで呼ばれたのかな? 』って思っちゃったんです」と、告白した。

本人にしか分からないであろう胸中を、1つ1つ言葉を選びながら「自分の中で、出て良いのかなみたいな。プライドというか、そういうのがあったと思います。多分、出たとしても、いつまでも『MAKOの姉』で認識されるのかなという思いがありました」。

しかし、こうも捉えた。「逆にこれに出演して、私のプライベートが映し出されているからこそ、それから抜け出せるんじゃないかとも思いました」。

これまで何度も比べられ「今まで『山口厚子』として活動してきて、妹は妹で別だと思っていたから、とまどいは正直ありました。『あっ、世間からは私じゃなくて、MAKOの姉で認識されているんだ』って」。

重圧も襲っていた。「もし仮に、変なことをしたら、MAKOのイメージも悪くなる可能性があって、私次第で、全部影響がでるんだなって思いました。どうしたらいいんだろうって。かといって、(姉妹ということは)事実だから、それを変えることもできないですし」。

だが、番組への出演が考えを変えるきっかけにもなった。番組では、初めましての共演者と、共同生活を送る。そこでは、山口自身が認識されておらず、もちろん「MAKOの姉」とも、認識されていなかった。それが心地よくも感じた。

「先入観がなくて、普通に接してくれたんです。それがすごく居心地が良くて、それで、『あっ、普通でいいんだ』と思えました。これまで、変に自分だけが考えていたなって思ったんです。だから、自分が考えなかったら何も起きないやって思って、考えるのを辞めました」と、吹っ切れたように笑顔で話した。

NiziUのリーダーとして、メンバーとともに、夢に突き進んでいるMAKO。自分だけが考えていたという苦しみに気付いたことで、さらに勢いを増すであろう厚子。進む方角や、その速度は違うが、2人の笑った時の表情や、その笑顔が作り出す温かい空気感は、非常に似ているものがあると感じた。

2人は近い将来、それぞれのステージで輝いているのではないだろうか-。その時を記者として見届けたいと、切に思った。【佐藤勝亮】