作曲家弦哲也氏(73)が11日、東京・北区の北とぴあつつじホールで「旅のあとさき」と題した音楽生活55周年記念ライブを行った。

本来なら昨年に開催予定だったが、コロナ感染拡大の影響で約1年延期になっていた。

最初のあいさつで「コロナの影響で多くの人の生活がガラッと変わった。音楽家も厳しい時代になった。でも、音楽は夢や希望や勇気を届ける。私はそれを信じている。今日は1年遅れの55周年ライブです」。

石原裕次郎さん歌唱の「北の旅人」で幕を開け、美空ひばりさんの「裏窓」、川中美幸の「ふたり酒」、石川さゆりの「天城越え」など、これまでに手がけた2500曲以上の中から17曲を選んで熱唱した。

1965年(昭40)に「田村進二」の芸名で歌手デビュー。3年後に「弦哲也」と改名し、北島三郎のコンサートに同行して日本全国で歌った。作曲家デビューは76年で棋士・内藤国雄の「おゆき」だった。その後は歌手「弦てつや」と作曲家「弦哲也」の“二刀流”で活動を続け、86年から作曲活動に専念した。

この日、客席から見守っていた川中がステージに上がり「やはりライブはいいですね。弦さんからいっぱいパワーをいただいた」と感謝するシーンもあった。約1時間半のライブ終盤、弦氏は「55年の音楽人生でしたが、これからも歌づくりの情熱がある限り、もう少し、(歌の)旅をしていこうと思っています」。

駆け付けた約200人を前に、56年目の一歩を力強く踏みだした。