NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で徳川昭武を演じる俳優板垣李光人(りひと=19)がこのほど、オンラインで取材会を行い、“プリンス・トクガワ”と呼ばれる役柄への意気込みを語った。

板垣は13日放送の第18回から登場。昭武は徳川慶喜(草なぎ剛)の異母弟で、将軍となった慶喜の代理としてパリ万博に出向き、随行した渋沢栄一(吉沢亮)と特別な絆を結ぶことになる。大河は14年「花燃ゆ」に出演。「10代のうちに2回も大河ドラマという大きな作品を経験させていただけるのは、すごくぜいたくなこと」と喜ぶ。

日本を背負って渡仏する昭武は、劇中では14歳の設定だ。板垣は「13、14歳の時に感じることのない圧を押しのけて、堂々とたたずんでいる。強さや覚悟は大事かなと思いました」。役柄については「慶喜が昭武に任せようと思えるほど、相応の品位やカリスマ性があったんじゃないか」と想像。“プリンス・トクガワ”と呼ばれる昭武に対し、自身は「日常ではすごくダラダラしているので、程遠くある」と苦笑した。大政奉還の知らせをパリで受け取り「日本はどうなっているんだと大きな衝撃はあるけど、自分はどう動くべきか考えを巡らす方にシフトチェンジしていくところが昭武かな」と、聡明(そうめい)さを意識したという。

皇帝ナポレオン3世に謁見(えっけん)する場面は、グリーンバック(合成用の背景)で収録に臨んだ。絢爛(けんらん)豪華な宮殿、多くの人に見守られる緊張感を想像しながら演じ「求められる集中力があった」。特に、栄一と並んでセーヌ川を歩くシーンが好きという。吉沢の印象については「目がすてき。初めて見る世界に目を輝かせるような目をされる時もあれば、タカのように鋭い目をされている時もある。それをお芝居で感じたのはすごくうれしかった」と振り返った。

昭武と栄一は身分を超えて心を通わせ「柔軟さがある栄一にひかれたのかな」。ナポレオン3世との対面が見どころといい、「昭武にとっても大きな仕事で、日本の歴史の先頭に立って歩いていく。かっこいいシーンになっていれば」と話している。