東京・歌舞伎座で4日「七月大歌舞伎」が開幕、第3部「雷神不動北山櫻」で、市川海老蔵(43)が2年ぶりに同劇場に出演した。総客席数の50%を維持した中でのチケット完売。冒頭、海老蔵は「2年ぶりの出演と相成りまする。なお一層、一生懸命つとめさせていただきます」とあいさつし、大きな拍手を受けた。

歌舞伎十八番の「毛抜」「鳴神」「不動」が含まれ、5役を演じ分け、大立ち回りや空中浮遊などでも沸かせた。海老蔵は「歌舞伎ならではの個性的な役々をお楽しみいただければ幸いです」としている。約280年前に2代目市川團十郎が初演した演目を、08年に海老蔵が新たな構想で練り上げた。海老蔵にとって7回目の上演となる。

第2部「身替座禅」では松本白鸚(78)が恐妻家の山陰右京を初役でつとめた。白鸚は「ユーモラスな、人間的なお芝居も勉強していきたい。先輩方への思いが、息子の(松本)幸四郎に、いつの日か孫の(市川)染五郎に伝われば」と語っている。第2部はほかに中村錦之助、尾上菊之助らの「御存 鈴ヶ森」。

第1部は市川中車、尾上松緑による「あんまと泥棒」、市川猿之助、中村梅玉らの「蜘蛛の絲宿直噺(およづめばなし)」。29日まで(第3部は16日まで)。