佐藤健(32)が、細田守監督(53)の新作アニメ映画「竜とそばかすの姫」(7月16日公開)で竜を演じることが6日、都内で行われた会見で発表された。

竜は、中村佳穂(29)演じる主人公の17歳の女子高校生・すずが、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>で「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、ベルと名付け、歌姫として世界中の人気者になり、開こうとしていた大規模コンサートを、メチャクチャにする存在。乱暴で傲慢(ごうまん)で大勢から忌み嫌われている上、国籍、年齢、性別その他一切の情報が明かされていない謎の存在だ。

佐藤は髪を金色に染めて登壇。「佐藤です。竜という、非常に複雑な心を持った複雑な役をやらせて頂いた。自分に務まるかと思いましたが、細田監督の優しいディレクションで、何とか演じきることが出来ました」とコメントした。

「竜とそばかすの姫」は、幼い頃に母を事故で亡くしたことをきっかけに、歌うことができず、曲を作ることだけが生きる糧となっていた、すずが、全く別の人生を生きることが出来る仮想世界<U(ユー)>ではベルとして自然と歌うことが出来るようになる。その中、突如、ごう音とともに現れた竜によりコンサートはむちゃくちゃにされるものの、竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づき、一方の竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく物語。声優としてほかに成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、岩崎良美、中尾幸世、坂本冬美、役所広司が出演する。

「竜とそばかすの姫」は、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)に新設された、これまでの作品が高く評価されている監督の注目すべき新作を集めた「カンヌ・プルミエール部門」に13本中、日本から唯一、選出された。細田監督作品では、18年「未来のミライ」が、カンヌ映画祭期間中に併設して開催される、フランス監督協会主催の「監督週間」で上映されているが、同映画祭公式部門への選出は初めて。日本での公開前日の15日午後8時(現地時間)から行われるワールドプレミアには、細田監督が登壇予定だ。