女優のかたわら、2005年から静岡県富士宮市に移住して自然農法を取り入れた野菜栽培や米作りを行っている工藤夕貴(50)が16日、県庁の川勝平太知事(72)を表敬訪問し、地元の富士錦酒造と共同で醸造した純米吟然酒「賜(ギフト)」を贈った。

工藤は「今年は今までで最高のでき。命をかけてつくりました」と胸を張った。

なみなみならぬこだわりをもって製品に仕上げた。原料の米(コシヒカリ)は自宅から10分ほどの田んぼで、無肥料・無農薬で栽培。除草は仲間と泥まみれになりながら行い、昨秋に収穫。「私のこだわりを聞き入れてくれる富士錦酒造さんだからこそできた」と、同行した同社の清信一社長(57)に頭を下げた。

特に大変だったのは醸造中の温度管理だった。「年末年始も酒造所に通って作業を手伝わせてもらった」と振り返る。米のやわらかい味と香りの高さが自慢で、クセのなさから刺し身やカレーにも合うという。川勝知事から「ありがたみを感じながらいただく。一気飲みしないよう気をつけたい」といわれ、笑顔で応えた。【倉橋徹也】