落語家三遊亭円楽が東京都墨田区の木母寺にある三遊塚を参拝した際、東京オリンピック(五輪)に出場する競泳の池江璃花子を思い涙ぐんだ。

参拝したのは開会式前日。期待の競技や選手を問われると、真っ先に「水泳だね。璃花子だよ」と池江の名前を出した。「血液のがん(=白血病)だろう。すごいわ。俺も頑張っているけど、ああいう風には頑張れない」と話すと、ぐっと言葉に詰まり、目には涙がにじんだ。円楽は18年に肺がんで手術、19年には脳腫瘍が見つかり、肺がんが再発した。今も治療を続けており、池江に自分を重ねたのだろう。

ほかにもゴルフ、野球、ソフトボール、柔道、体操と、次々に興味のある競技を挙げた。

夏はいろいろな思いが重なる。3年前の7月に桂歌丸さんが亡くなった。歌丸さんは毎年、国立演芸場8月中席でトリを務めていたが、翌年から円楽がトリをとっている。歌丸さんから引き継いだ大事な興行。円楽は「やっぱり8月に合わせてる」と11日の初日に向けて体調を整えているとした。

今後の大きな目標は「東京の落語界を1つにすること」と語る円楽。五輪を見て、8月中席、さらにその先の目標へのパワーの1つになるといいと感じた。