英ロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツさんが24日、死去したことが明らかになった。80歳。代理人によると、英ロンドンの病院で家族に囲まれて安らかに息を引き取ったという。

「チャーリーは愛された夫、父、そして祖父でもあり、同時にザ・ローリング・ストーンズのメンバーとして自身の世代で最も偉大なドラマーの1人だった」とストーンズの公式ツイッターで追悼文が掲載された。また、声明では悲しみにくれるバンドのメンバーや家族のプライバシーの尊重を求めている。死因は明らかになっていない。

ローリング・ストーンズは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていた北米ツアーを来月末に再開することが決まっているが、ワッツさんは今月初めに受けた緊急手術を理由に不参加を表明していた。

病名や手術の内容など詳細は明らかにされていないが、手術は成功したものの回復に時間がかかるためとして、ツアー欠席の理由を説明していた。「タイミングが悪かった。完璧な状態に戻るために努力はしてきたが、時間がかかるという医師のアドバイスを受け入れることにした」とワッツさんは語っていた。

80年代にも自身に代わってアルバム「ダーティ・ワーク」(1986年)に参加したことがあるスティーブ・ジョーダンを代役に指名していた。

ワッツさんは2004年に咽頭がんで闘病していることが伝えられていたが、治療を受けて完治。健康状態に問題はなかったとされていた。根っからのジャズ好きで寡黙な男として知られるワッツさんは、メンバーからも絶大な信頼を寄せられていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)