童謡「ちいさい秋みつけた」「手のひらを太陽に」などの歌唱で知られる4人組コーラスグループ「ボニージャックス」でトップテナーを務めた歌手西脇久夫(にしわき・ひさお)さんが8月30日午前8時50分、肺がんのため、都内の病院で亡くなった。85歳。宮城・塩釜市出身。2日、キングレコードが発表した。

数年前、肺がんを患い手術を受け、歌手活動と並行して治療を行っていたという。8月初旬、容体が悪化し入院した。関係者によると、最後のステージは7月4日に宮崎市で行われた「童謡の祭典」だった。今月4日には神奈川県綾瀬市でコンサートが予定されているが、3人のメンバーで行うという。29日にはジェリー藤尾さんの追悼企画の「第48回歌謡祭」にも出演予定だった。

ボニージャックスは早大グリークラブ所属のメンバーによって結成されたグループで、18年に結成60年を迎えた。西脇さんは六さんの愛称で呼ばれ、歌唱時の立ち位置は右端。レパートリーの広さで知られ5000曲以上のコーラス譜を保持していた。ロシア民謡「一週間」もボニージャックスが歌ったことで広く知られるようになった。