テレビ朝日は7日、8月8日にスポーツ局のスタッフ10人が緊急事態宣言下の都内で飲食し、社員1人が店外に転落して負傷し搬送された事案について、参加者10人のうち社員6人を謹慎10日間の処分としたことを発表した。

残りの社外スタッフ4人については「それぞれの派遣元会社に適切な対応をお願いしました」としている。また、スポーツ局長およびスポーツセンター長の管理監督責任を問い、減給1カ月の処分とした。スポーツ局統括の亀山慶二社長、スポーツ局担当の浜島聡常務からは、役員報酬10%を1カ月返上するとの申し出があったことも明らかにした。

同局は、事案発生後すみやかに関係部署の担当役員、局長で構成された「緊急調査チーム」を設置。関係者に複数回の聴取をおこない、事案の詳細を明らかにした。

▽以下は同局が公表した「事案の経緯」 

10人はいずれも当社スポーツ局所属で20代、社員が6名、社外スタッフが4名。うち社員5名が8月上旬、当社オリンピック番組の打ち上げとオリンピック後に異動する1名の送別会目的で8日の宴席をメッセージアプリ等で約束した。残る5名には当日の仕事終わり等に声をかけ、合わせて10名となる。

8月8日午後8時:六本木の飲食店にて参加者6名で宴席を開始。その後、負傷した社員(以下当該社員)を含む2名が加わる。午後11時過ぎまで飲酒を伴う飲食。

午後11時半:8名全員が渋谷のカラオケ店に移動し二次会。9日午前2時ごろ2名が加わり10名となる。カラオケ店では6階の個室で飲食と歌唱。

午前3時半:当該社員が一人だけ帰宅の意思を示し、個室を出る。社員2名が個室の外まで出てエレベーターの方向に歩いている当該社員を見送る。従って、当該社員以外の9名は当該社員の転落、搬送を目撃していない。

当該社員からの聴取内容

・疲労がたまっていて、酔いが回ってきた意識があり、周りに迷惑をかけてはいけないと思い、皆より先に帰ろうとした。

・他のお客さんと乗り合わせるのを避けようとエレベーターではなく非常階段を使った。

・はっきりとは覚えていないが、外に出られないと思い込み、隣のビルの壁や看板をつたって降りようと考えたのだと思う。

・何かをつかんだ後に落ちてしまい、その瞬間に激痛が走って、通行していた方に助けを求めた。

2階から転落した当該社員は緊急搬送されて入院した。左距骨骨折で補助器具なしでの歩行までおよそ半年の診断。手術を経て先ごろ退院し、現在はリハビリを開始した段階。