崎山つばさ(31)が、銀泥氏原作の人気漫画をドラマ化した「パティシエさんとお嬢さん」(22年1月期にBS11などで放送、全4話)に主演することが24日、分かった。映画化も決定し、同5月から全国で順次、公開する。主人公のパティシエを演じる崎山は「スイーツのように甘くて優しい作品を目指して撮影に挑みました」と意気込んだ。

崎山が、店に毎週、ケーキを買いに来る“お嬢さん”と両思いながら距離を詰めるすべもない、恋に奥手で不器用なパティシエ奥野丈士を演じる。「見た目は男らしく爽やかですが、恋愛になると不器用で奥手で名前すら聞けない男。でも真っすぐで愚直なところが愛らしくもある人物を演じました」。

19年の第1作のヒットを受け、今年まで4作公開された初主演映画「クロガラス」シリーズで演じた、金さえ払えばどんな依頼でも引き受ける新宿歌舞伎町の解決屋とは正反対の役どころで新境地を開く。

初のパティシエ役を演じるにあたり、昨夏に行われた撮影前からレッスンを受け、パティシエの所作を一から学んで挑んだ、菓子作りのシーンにも注目だ。崎山は「パティシエなので、おいしそうなケーキがたくさん出てきます。飯テロならぬ甘テロです」と見どころをアピールした。

原作は、作者の銀泥氏が2017年(平29)9月4日に「勢いだけで描いた創作男女漫画」と題し、ツイッターに投稿した4ページのラブコメ漫画だ。投稿当日に、出版元の一迅社の担当者がメールで書籍化のオファーをし、同10月27日に銀泥氏がツイッターで書籍化決定を発表と、投稿から1カ月強で書籍にまで発展したことも話題になった。ツイッター上での「いいね」は200万件を超え、2巻出版されたコミックスも電子書籍含め累計25万部とヒットしている。

銀泥氏は、ドラマ&映画化の決定に「お話をはじめに聞いた時はとても驚きました。喜びもありましたがそれ以上に『本当に実写になるのかなぁ』と半信半疑でいました。そこから徐々に具体的なことが決まっていき、そのご報告をいただく度に実感を得ることができました」と率直な感想を語った。その上で「コロナの影響もあり撮影に至るまで大変なご苦労があったことと思います。原作漫画の雰囲気とキャラクターを尊重して制作して頂き関わってくださった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです」と、原作を踏まえた実写化だと太鼓判を押した。

崎山は「もどかしすぎる純白な恋物語が果たしてどう揺れ動くのか。(丈士が、お嬢さんの)名前は聞くことができるのか。ぜひ、公開を楽しみにしていて下さい」とアピールした。

「パティシエさんとお嬢さん」は、22年1月からBS11のほかテレビ神奈川、メ~テレ、広島テレビ、テレQ、テレ玉、チバテレで放送する。監督は、10年の「武士道シックスティーン」や20年の「のぼる小寺さん」などの映画や、16年「徳山大五郎を誰が殺したか?」や17年「銀と金」などのドラマを手掛けた、古厩智之監督が務める。

◆崎山つばさ(さきやま・つばさ)1989年(平元)11月3日、千葉県生まれ。14年に俳優デビューしミュージカル「刀剣乱舞」シリーズや舞台「幽☆遊☆白書」などに出演。17年「月花夜」でCDデビュー。主な出演作は初主演映画「クロガラス」全4作など。