尾上菊之助(44)は1年を締めくくる「十二月大歌舞伎」(12月1~26日、東京・歌舞伎座)で、第2部「ぢいさんばあさん」に出演する。

今年も新型コロナウイルスの影響を受ける中で、舞台に立ってきた。菊之助は「歌舞伎座はまだ(総客席数の)半分ですから。コロナが早く収まってくれて、お客さまが安心して来てくださる世界が早く来てほしい」と願った。

歌舞伎座では複数の部に出演することはできず、部ごとに役者が総入れ替えされる。1つの部にしか出演できないので、必然的に以前よりは出演時間も作品も減る。

菊之助は仕事のリズムが変わったことで、心の余裕ができたとも明かす。「もっとたくさん出たいという思いもありますが、前は24時間お芝居のことを考えていましたが、考えない時間がふっとできるようになりました。切り替え、案外できるんじゃないかなと思いましたね」と話した。

現在、NHK連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」(月~土曜午前8時)に、銀幕スターのモモケンこと桃山剣之介役で出演中。主人公たちが見る映画の中に登場し、華麗な殺陣を見せ話題になった。菊之助は「出させていただくって言ったものの、いつ出てくるんだと思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、ちょくちょく出させていただいてます」と笑い「いろいろなお役をさせていただいて楽しんでいます」と話した。

この1年を振り返り、菊之助は「私も成長するために1日1日励みましたが、丑之助もお役をいただけて幸せな1年でした。(コロナが)いつ収束するか分かりませんが、お客さまに来ていただいて、少しでも忘れられる時間を作りたいと思っています」と話した。