デビュー45周年を迎えた歌手松山千春(66)が24日、地元北海道の札幌・カナモトホールで、全国ツアー「敢然・漠然・茫然」の最終公演を行った。

緊急事態宣言は解除されたが、1500人の客席数に対して観客は65%。途中で15分間の換気タイムを設けるなど、万全な体制でコンサートに挑んだ。

千春は1月に母美代さん(享年99歳)を、さらに9月には弟明人さん(享年61歳)を亡くすなど、悲しみに暮れた年だった。「母親が亡くなった時は涙も何も出なかったが、3月ぐらいになってから急に寂しくなり涙が出るようになった。弟とはほとんど連絡することはなかったがつらかったと思う。26年前にはおやじが…、そして23年前には姉も逝ってしまった。今1人になってしまったけど、やっぱり5人の家族が一番良かった」と振り返った。

「1年の納めのコンサートだから、今夜はいろいろな曲を聴いてもらいたい」と、「銀の雨」「もう一度」「写真」など恋愛ソングを中心に構成。また、後半は「本来ならアンコールの最後に歌う曲だが、今回はコンサートの流れを変えてみた」と言うことで、本来ならアンコール曲として盛り込まれている「大空と大地の中で」でスタート。新曲「敢然・漠然・茫然」や「水虫くん」などを熱唱した。

北海道愛の強い千春だけに、生乳の消費が落ち込んでいることから、「今日は水ではなく牛乳にしました。俺の友達には酪農が多いからな。少しでも頑張ってほしい」。

最終公演は25日も同ホールで行われる。