人間国宝の歌舞伎長唄三味線演奏家、杵屋淨貢(きねや・じょうぐ)さん(本名宮澤雅之=みやざわ・まさゆき)が19日午後8時50分、脳梗塞のため都内で亡くなった。84歳。葬儀、告別式は親族で執り行った。

子供のころから父で6代目杵屋巳太郎に手ほどきを受け、1946年(昭21)に14代目杵屋六左衛門に入門。54年に3代目今藤長十郎、今藤綾子に入門し、三味線、唄、作曲を学ぶ。56年に7代目杵屋巳太郎を襲名し、長唄杵巳流の7代目家元を継いだ。65年、「鬼の少将夜長話」の出囃子を務め、歌舞伎の初舞台をつとめた。

71年に菊五郎劇団音楽部に入部し、その後音楽部部長。12年12月に杵屋淨貢と改名。07年に人間国宝に認定、09年に旭日小綬章。

格調あるばちさばきで観客を魅了し、歌舞伎の舞台を盛り上げた。菊五郎劇団音楽部をけん引し、歌舞伎長唄の後進育成にも努めた。演奏だけでなく多くの作曲も手掛けた。