演歌歌手五木ひろし(73)が初めてJ-POPのアルバムをリリースする。自身が設立したレコード会社「ファイブズエンタテインメント」の20周年記念盤「DREAM-五木ひろし J-POPを唄う-」を3月16日に発売。ピアノを清塚信也、ギターを村治佳織が担当しJ-POPの名曲をカバーした。

五木は19年に清塚とテレビ番組で共演し、お互いの音楽性を認め合い、アルバム制作の構想が浮上したという。さらに、村治とは夏のコンサートで共演。21年春に、五木が2人に声をかけ、レコーディングが始まった。清塚、村治の卓越した演奏技術に、五木の巧みな歌唱と歌詞を伝える力が加わり、ジャンルを超えて多くの人が共有できるアルバムが完成した。

アルバム発売を記念して、3人によるライブが3月22日、23日に、東京・コットンクラブで行われ、4月には大阪でも開催される。

五木は「今まで数多くの作品をカバーしてきました。演歌・歌謡曲・フォーク・J-POP等、時代時代の流行歌を、ジャンルを超えてアルバムにしてきました。今回クラシックピアニストとして今、最も注目されている清塚信也さんと、同じくギタリストの村治佳織さんとの出会いからピアノとギターを中心にシンプルに、改めてJ-POPの作品をカバーする事となりました。その昔、今は亡きギタリストの木村好夫さんと『ひろしとギター』というアルバムを作りました。その時と同じく、久しぶりに同録という形のレコーディングに挑戦しました。作品の良さはもちろん、清塚さんのピアノの心に響く音色と繊細なタッチ。そして、村治さんの素晴らしいギターのテクニックと音色。それぞれお互いにあうんの呼吸で仕上げたアルバムです。時代を超えジャンルを超えて、多くの方に聴いていただきたいアルバムです」とコメントした。

清塚も「アーティストは人間力、ということを五木さんとご一緒することで強く感じました。表現というのは、その人の生き様や人生で体験してきた情報量といったことで、こんなにも説得力をもたらすのだと、セッションをしながら知ることが出来ました。生命の尊さや生きることのつらさまでを、シンプルな編成で表現したこのアルバムは、コロナ禍を体験した我々だからこそ、心から鑑賞することが出来るのではないかと思います。そして、村治さんの爪弾く芸術を、ぜひ体感してください。新たな五木ひろしを、新たなサウンドを、そして、名曲に新たな息吹を。ぜひ体感して頂きたく思います」。

村治も「私は幼少期からこれまでクラシックに軸足を置いて学んできました。この数年来五木さんとステージやレコーディングでご一緒させていただいていることもきっかけになり、いろいろなジャンルの音楽のエッセンスを取り入れたものも数多く弾くようになっています。今回、アルバムに参加させていただくことになりましたが、清塚信也さんと3人でというのも、収録曲はすべてポップスでというのも五木さんの発案です。今なお、新しいレパートリーや表現の開拓や追求に軽やかに向かわれている五木さんはなんとパワフルなのだろう! なんて音楽を愛しておられるのだろう! この経験を通して、続ける力の大事さをあらためて感じています」と語った。