シンガー・ソングライター藤原さくら(26)が、清原果耶(20)主演のTBS系「ファイトソング」(火曜午後10時)で、萩原凛を好演している。清原、間宮祥太朗、Sexy Zone菊池風磨を中心とした“四角関係”を描いた、ラブコメディー。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

ミュージシャンとして、15年3月にメジャーデビュー。翌16年4月の福山雅治主演のフジテレビ系ドラマ「ラヴソング」で女優デビューした。

「あのドラマは自分の中で振り返っても、すごく大きなタイミングだったと思います。演技がすごく楽しいなって思ったのはやっぱり現場だったりとか、福山さんも同じ事務所の後輩だというのもあって、すごく愛のある叱咤(しった)激励や、応援をしてくださっていて。(同ドラマの主題歌)『Soup』をリリースした時も、ライブにこっそり来てくれたり。で、バレたりとか(笑い)。そう『頑張れ』ってずっと応援してくださる人だったので、人に恵まれた部分もありました」

同ドラマでは、吃音(きつおん)に苦しむ佐野さくらを演じた。初出演のドラマだったが、女優業の魅力にも気付いたという。

「題材としては重めというか、吃音という苦しみを抱えている女の子の役だったんですけど。実際に吃音を持っている方たちからもすごく反響をいただいて。『大変なこともあるけど、すごく元気もらえました』ということを言ってもらった時に、すごい仕事だなって思いました。私は音楽が好きで、小さい頃から元気をもらって。だからミュージシャンになりたいと思ってずっとやってきたんですけど、初めて演技をやらせてもらって、視聴者や日常に生きている人に元気を与えられる仕事なんだなというのをすごく痛感しました。ドラマに出て、できた曲もありますし、演技することが音楽にすごくいい意味でインプットになったと感じました」

「ファイトソング」が、自身4本目の連ドラ出演。女優業、ミュージシャン業の他にも、漫画家や展示を開催するなど、幅広い分野で活動している。

「自分がすごく興味があることが多くて。音楽の中でも、『このジャンル』って特化しているのではなく。レゲエも面白いんだなとか、ジャンルレスに、今興味があることをやっています。活動していく中で、ずっと同じ事をしていてもつまらないじゃないですか。だから自分が楽しむという意味では、漫画を書いてみたり、自分が書いた曲を誰かかわいい子に歌ってもらえるとか…。そういうのって、生きがいじゃないですか。やっていて楽しいって思えることをやりたいと思っていたら、気付いたらいろんな事に挑戦していたという感じです」

デビュー時とは、マインドの変化もあったという。

「自分がやりたいからやる、自分がこう思ったからこうしてあげる。その感情の持って行き方の方が、人のせいにしなくなるというか。全部『他人にどう思われたい、こうしてほしい』で生きていると、大変じゃないですか(笑い)。だからそれよりかは、自分が人に幸せになってもらいたいからする、っていう形の方が、心が豊かだなって思っています」

これまでの全ての挑戦に、後悔はないという。

「めちゃめちゃド失敗して、周りに『もうやらなきゃよかったよ』って言われたとしても、そうは思わないんですよね。失敗するって、すごい幸運な事だと思うんですよ。それによって気付きがあったり、『次はこうしよう』って思えたり。失敗しなかったら、多分どんどん傲慢(ごうまん)な人間になっていくと思うんですよ。やること1個1個で、自分の感情が揺れる瞬間っていうのがたくさんあって。それが成長につながるのかなって。最終的に、ちゃんとしっかりした人間になって死にたいなって思うので。人間的に、立派な人として終わりたい(笑い)。1つ1つの経験がすごく大事というか、やって損することはないって思います」

ド失敗の例を聞くと、歌番組で歌詞を忘れた出来事を明かした。

「そうなると、もう絶対に『もっともっともっと歌い込もう!』ってなります。もちろん緊張しているから、努力と比例しなくて、急にパッと忘れることもあるので難しいんですけど。人前に立って何かをやるとなると、どうしても良い経験だけじゃなくて、失敗したりもするんですけど。こうやって『大変だったなー』って話すのも、人生のスパイスですよね(笑い)」

◆藤原(ふじわら)さくら 1995年(平7)12月30日、福岡県生まれ。10歳でギターを始め、その後福岡のカフェやレストランでライブ活動を開始。15年3月「a la carte」でメジャーデビュー。16年フジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」で女優デビュー。19年には、いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」で舞台初出演を果たすなど、幅広く活動している。

※「a la carte」のアタマのaはグレーブアクセント付きA小文字