兄弟デュオ、ビリー・バンバンが来月2日に「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」(3月4日公開)の挿入歌となる新曲「ココロありがとう」を発売する。「ドラえもん」の小学館「小学一年生」などでの連載開始は、ビリー・バンバンが「白いブランコ」でデビューした1969年(昭44)。兄・孝(77)と弟・進(74)は「『ドラえもん』って同期なのか(笑い)。デビュー54年目になるけど、ライバルには負けられないね」と話している。

「のび太の-」は、85年公開の同名作品の脚本を現代バージョンにリメークした。昨年の公開予定が、コロナ禍で1年延期されていた。進は「もう一昨年の暮れにレコーディングが終わってたんだけどね。ドラえもんの歌の中では、僕たちが歴代最年長だと思う。だけど、3歳上の兄貴がいるから僕は最年長じゃない」と笑う。孝は「でも、すごいよね。藤子不二雄先生は、今から50年以上も前に猫型ロボットっていう発想。AIBOとかペッパー君とかが出てくる何十年も前だからね」と言う。

「ココロ-」は、80年代のチャゲ&飛鳥、安全地帯から現在のジャニーズアイドルまでのヒットメーカーの松井五郎氏(64)の作詞。ビリー・バンバンが07年にリリースしロングセラーとなった「また君に恋してる」も担当している。映画のテーマでもある「兄弟愛」を、けんかをしても支え合ってきた感謝の気持ちとして描いている。進は「俺たちみたいに仲が悪くても、兄弟の絆ってすごいよね(笑い)。76年に1度解散したけど、84年に再結成できたのも兄弟だから。他人同士だったら永遠に交わることはなかった」と言う。

作曲は進と、ピアニストでもある夫人の菅原知子氏(49)。進は「うちの奥さんにピアノを弾いてもらって、いろいろ怒られながら勉強させてもらいました。彼女の方が“お姉さん”だから、全部言いなりです。まあ、この年になって叱ってもらえるのもありがたいね」と話している。

カップリングはおなじみの「ぼくドラえもん」と「宝の地図」(作詞・松井五郎、作曲・森正明)だ。

慶大の孝と青学大の進。70年代初頭のカレッジフォークブームの先頭に立っていたビリー・バンバン。ギターだけのシンプルなサウンドがイメージだ。進は「前はアニメをあまり知らなかったけど、2年前にアニメゲーム『アイドルマスター』のキャラクター小早川紗枝の歌う『薄紅』を歌ってみたらニコニコ動画で話題になってね。70歳を超えてからボーカロイドと歌わせてもらって、音を分解して、重ね合わせて勉強させてもらってます」と笑う。

デビューから50年以上がたった。14年(平26)には孝が脳出血、進が大腸がんを患い乗り越えた。孝は「ドラえもんは2112年製造で未来から来た設定だから、あと90年もある。そこを目指して頑張るよ(笑い)」。進は「兄弟っていうのはライバルだけど、大きな支え。ずっと音楽をやってきて、まだ勉強させてもらえるのはうれしいね」と話している。【小谷野俊哉】