声優古谷徹(68)が9日、都内でアニメ映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(安彦良和監督、6月3日公開)ザクの日スペシャル会見に出席した。

1979年に放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」で、伝説のエピソードとされる第15話「ククルス・ドアンの島」を新たな切り口で映画化する。

82年公開の「機動戦士ガンダム3 めぐりあい宇宙」以来、40年ぶりに劇場版で主人公アムロ・レイを演じた古谷は「40年ぶりに15歳のアムロを演じることができて、こんなにうれしいことはない!」とアムロの声で第一声。「『めぐりあい宇宙』は劇場版当時ブレークしたから思い出深い。40年の時を経て大スクリーンに戻ってくるのは、本当に感無量です」と話した。安彦良和監督(74)から声について「さらにお若くなられた。15歳のうぶな少年にはまっていて驚きました」と感心されると、「監督がアムロの表情や一挙手一投足を丁寧に描いてくれていたので、すごく入りやすかった」と振り返った。

テレビ版のアニメーションディレクターを務めた安彦監督は、“神回”とされるテレビ版の「ククルス-」について「パソコンで『作画崩壊』で検索するとククルス・ドアンが出てくる。それくらい有名なんです」と苦笑した。今作については「リメークだけど、もともとは20分そこそこ。冗談半分で『水で薄めてたたいて伸ばすんだ』と言ったんですが」と笑わせつつ、「限りなくオリジナルを作っているんだと感じた」と手応えも。因縁の作品のリメークに挑み「元々が作画崩壊で20分。限りなくゼロから立ち上げるのは、新鮮で心地いい作業ができました」と笑った。

長きにわたりアムロと歩み続ける古谷は「劇場版でアムロを演じるのは最後になるかも知れません。いきいきと動いているアムロを、僕の声とともに記憶にとどめて欲しい」とメッセージ。安彦監督は「『ドアン』をやって思い残すことはないので、ガンダムを映像で作るのはこれが最後だろうと。古谷さんがアフレコをやって帰る時、『家で練習して泣きました』と言われた。それがうれしくて、いい話だったんだとそのひと言で自信がつきました。期待していただいていいかと思います」と語った。

ククルス・ドアンを演じる武内駿輔(24)も登壇した。