第45回日本アカデミー賞授賞式が11日、都内で行われ「ドライブ・マイ・カー」が作品、濱口竜介監督(43)の監督、西島秀俊(50)の主演男優と優秀賞受賞の8部門全てで最優秀賞を獲得し8冠に輝いた。三浦透子(25)も、正賞外の新人俳優賞を受賞した。

濱口監督はスピーチで「11年前の今日、地震、津波、原発事故がありました」と東日本大震災について言及。その上で、津波の被災者にインタビューした映画「東北記録映画三部作」(酒井耕氏と共同監督)を11年から13年まで製作したことに触れた。「被害に遭われた方々が示してくれた、力強い生命力を捉えていきたいと思ったことが今、自分が監督をする基盤になって、結果『ドライブ・マイ・カー』が出来た」と、取材した人々に感謝した。

初の最優秀主演男優賞を受賞した西島も「今、世界が混乱して、いろいろなつながりが切れている中、東日本大震災から11年がたちました」と語った。その上で「人とのつながり、魂の再生の物語が今日、賞をいただいたことは何か大きな意味があるのではないか。これからも人に寄り添う、希望を持つような作品に参加したい。日本映画のために身をささげたい」と誓った。【村上幸将】