英王室を離脱して米カリフォルニア州に移住したヘンリー王子(37)が、29日に英ロンドンで行われる祖父フィリップ殿下の一周忌の追悼式に出席しないことが明らかになった。

ヘンリー王子夫妻の代理人が米FOXニュースに明かした。王室離脱に伴い警察による警護を受けられないことが理由とみられている。ヘンリー王子は、自身と家族の身の安全を理由に英国に滞在中は自費で警察の警護が受けられるよう求めていたが英政府から拒否され、法廷論争に発展していた。

ヘンリー王子は昨年4月9日に逝去したフィリップ殿下の葬儀には単身で帰国しており、当初は今回の追悼ミサにも妻のメーガン妃と2人の子供たちを米国に残して単身で出席するものとみられていた。

代理人は「今月末の帰国はないが、できるだけ早く祖母に会うため帰国することを望んでいる」とコメントしているが、米英メディアは95歳と高齢のエリザベス女王が昨年6月に誕生した孫娘リリベットちゃんに会うことは生涯ないかもしれないと伝えている。

警察による警護が受けられない限りは家族を連れて帰国できないと主張しているヘンリー王子に対し、批判的な声も上がっている。王子の伝記も執筆している王室伝記作家アンジェラ・レヴィン氏は、ニューヨーク・ポスト紙の取材に対して「今後も同じ言い訳をして、エリザベス女王の即位70周年を祝う記念式典プラチナ・ジュビリーの出席も逃れるだろう」と語っている。

20年3月に王室を離脱後、ヘンリー王子は単身で2回帰国しているが、メーガン妃と子供たちは1度も帰国しておらず、米国生まれのリリベットちゃんは父親の母国を訪れたことがない。夫妻はエリザベス女王の愛称からリリベットちゃんと命名したものの、95歳で新型コロナウイルスに感染して回復したばかりの女王に会わせるために帰国しないのはなぜか、などと批判が噴出していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)