歌舞伎俳優市川猿之助(46)が18日、都内で、4月に行う2公演の取材会を行った。

東京・歌舞伎座「四月大歌舞伎」(同2~27日)では第1部「天一坊大岡政談」に出演。吉宗の落としだねを名乗り江戸に乗り込む天一坊を初役で演じる。猿之助は「悪は絶対におもしろい。悪に魅力がないと、善も引き立たない」と話した。

天一坊の参謀、山内伊賀亮を片岡愛之助が、大岡越前守を尾上松緑が演じる。猿之助は「顔合わせの妙。意外と一緒にやってない。裁き裁かれ、だましだまされの丁々発止が生まれるのではないか」と期待した。

六本木トリコロールシアターでは、プロデュースと演出を務める「猿之助と愉快な仲間たち第2回公演『森の石松』」(同13~21日)が上演される。コロナ禍で苦境に陥った若い役者を応援しようと今年2月、”愉快な仲間たち”とともに朗読劇を行った。

「森の石松」は、ワンピース歌舞伎で脚本と演出を務めた横内謙介氏が脚本を務め、ある映画から得た構想30年の思いを作品に仕上げた。

猿之助は”愉快な仲間たち”について「芝居が好き。情熱がある。利害関係で付き合っていない。メンバーに定員はありません。志同じ人が集う自由な団体です」と話し、第3弾公演へも意欲を見せた。横内氏が「ミュージカルをやりたい」と言うと、猿之助は「好きだけど歌えない」と言いつつ「じゃあ、次はミュージカルで」。

歌舞伎座出演を終え、六本木での公演に出演することになる。猿之助は「僕は慣れていますが、歌舞伎のお弟子さんたちは慣れていない。そういう経験も大事。彼らにとっていい経験になれば」と話した。

会見には、出演する市瀬秀和、石橋正高、下川真矢、穴井豪、松原海児も出席。ほか、石橋正次が出演する。