米俳優ウィル・スミス(53)が1日、先月27日に開催された第94回アカデミー賞授賞式でのビンタ騒動を受けて米映画芸術科学アカデミーの会員を辞任することを発表した。妻の容姿をジョークのネタにされたことに激高してコメディアンのクリス・ロックを平手打ちしたスミスは代理人を通じて発表した声明で、自身の行動を「衝撃を与え、悲惨で、許しがたいもの」と述べ、自身の言動によって傷つけてしまった人たちのリストとして「クリス、彼の家族、私の多くの親愛なる友人や愛する人たち、全ての授賞式に出席していた人たち、そして世界中の視聴者」をあげ、改めて謝罪した。

「アカデミーの信頼を裏切った」と反省の弁を述べたスミスは、退会を届け出た理由について「他の候補者や受賞者が彼らの類まれな仕事を祝い、たたえられる機会を奪った」と説明。理事会が適切だと考えるいかなる結果も受け入れると表明したが、平手打ち後に映画「ドリームプラン」で受賞した主演男優賞の返上については言及していない。

スミスは先月29日、映画芸術科学アカデミーのデビッド・ルービン会長とドーン・ハドソン最高経営責任者(CEO)とバーチャルで6分間の会談を行い、その場でも事件について謝罪していたという。アカデミーは行動規約に違反したとして、スミスに対する懲戒手続きを開始しており、資格停止や除名などの処分が下される可能性が高い。次回理事会は15日に予定されており、今回受賞したオスカーの行方なども含め、どのような結果が下されるのか注目されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)