2日間8公演に及んだ記念興行の大トリとなった明石家さんま(66)の「さんまの駐在さん」に、初代駐在さんだった桂文枝(78)が出演した。

「署長」と呼ばれて登場した文枝は、いきなり「いらっしゃ~い」。文枝は、3月末でテレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい!」を勇退しており、さんまが「なんで俺に(後任を託して)くれへんかったんですか?」と迫った。

文枝は「君のことを一番に考えたよ。でも今からじゃ51年は無理だからね」と、長期間託せる者がよかったと明かした。

途中、文枝が「思い出すと暗いんですよ…去年家内を…」などと、昨年、夫人と母を相次いで亡くしたことに触れると、さんまが「そんな話あかん。続けて死んだんですよね」とあっけらかんとした様子でツッコミ。あうんの呼吸で明るくネタへと転化した。

文枝はかねて、さんまを世に引き出したのは自分だと自負しており、この日も「あなたを見つけたのは私だと思ってます」。実際、自身の出世番組「ヤングタウン」へ、さんまを引っ張りだし、これをきっかけにさんまはブレークした。

もともとは、落語家だったさんま。文枝らの師匠世代になる上方四天王の1人、故笑福亭松鶴さんの兄弟弟子にあたる故笑福亭松之助さんが師匠だった。だが、落語家があわず、出奔を経てタレントに転身。落語家出身で、テレビ界で成功した道筋としては、文枝の後をたどっている。

「駐在さん」も、76年に「花の駐在さん」としてスタートした際、初代は文枝で、後にさんまが引き継いでいる。さんまも「こうして文枝師匠にきてもらって、ありがたいです」と感謝。「あえて言わせてもらいます」と前置きして、前名で「三枝兄やん」と呼び、文枝も笑顔でこたえた。

吉本の看板さんまも、文枝の前では「後輩」。それでも、モンスターエンジン大林が、持ちネタの笑福亭仁鶴さんにふんして「今、地獄の方に(いる)」などとやると、さんまは「地獄におちんのは、こっちや」と文枝を指して悪ノリ。「悪さしてるから、僕とあなた(文枝)は地獄です」などと話を展開させ、「三枝兄やん」をいじって会場をわかせていた。