小栗旬のモノマネが人気のおばたは小学生の頃からモノマネが得意だった。劇中では、そのレパートリーの1つだった青蛙(かえる)役を演じる。「僕からしたら20年やってきているキャラクターなので(笑い)。日の目を見ない20年がここにきて、まさかです」。原作の大ファンで出演決定には歓喜したという。「本当に夢がかなったというか、夢の中で今も動いているというか、夢の中の湯屋で働いているみたいな感覚で。人生で一番うれしかった」。

劇中では青蛙のパペットをもって動く。地元の田んぼを泳ぐカエルはよく見たが動画などで改めてカエルの動きを徹底的に分析した。「ぬいぐるみには絶対に見られたくない。ちゃんと命があるように見せたいので、ちゃんとつま先で地面をとらえて跳ぶっていうような前の進み方みたいなのは研究しました」。

新潟県出身者が3人いることは大きなモチベーションにもなっている。「この世界的な公演の初演メンバーで新潟県民が3人もいるって、こんなことない。本当にうれしい。やっぱり新潟っていい意味ですごく田舎者なので、県民が活躍してくれてうれしいみたいなのが強いんですよね」。続けて「新潟県民ってだけで、普段出さないような絆を僕の中では勝手に感じていて、3人が勝手に新潟県代表として出させてもらっているという感覚があるんですね」。

再演があれば、新潟に行きたいと夢を膨らませる。「新潟って田舎だから、(演劇を)目に触れる機会が少ないんですよね。志す人も、目に触れないと志もできないので、そういう機会を僕らが作って行けたらいいなってすごく思っているので、素晴らしい世界の中で体感していただけたら。新潟で本当にやりたいです」。地元の誇りを胸に歴史的舞台で奮闘する。

 

★新発田市出身の松之木天辺(47)は神様やススワタリ、湯婆婆コウモリなどを演じている。「小さい頃から小学校の焼却炉の上で歌謡ステージとか学校のベランダで美空ひばりショーとかやっていた。そういう子が大きくなって、帝劇の舞台でやっているみたいな夢物語がある。海とか川とか近かったのでジブリの世界の原風景は当たり前のように分かる。全部、新潟で仕込みました」。

 

★村上市出身の武者真由(39)は坊や、ススワタリなどを演じている。「オーディションに受かった時は、ものすごくうれしかったですね。私の(生まれ育った)地域は、舞台とか見に行くのが遠い地域。そういう中でも、こういう風に仕事にしている。夢を持っている人は、できるよ。遠いかもしれないけど近い世界かもねって思ったりして、『諦めないでね』って伝えたい」。