元ビートルズのジョン・レノンさんの長男でミュージシャンのジュリアン・レノン(59)が、ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するため、父親の代表曲「イマジン」を初めて公の場で披露した。

人権擁護団体グローバル・シチズンがウクライナからの難民救済を目的に8日に開催したSNS上のイベント「スタンド・アップ・フォー・ウクライナ」に賛同したもので、無数のキャンドルがともる中、ギタリストのヌーノ・ベッテンコートのアコースティックギター演奏で1971年発表の同曲を歌う映像をユーチューブに投稿した。米メディアによると、ジュリアンは「飢餓や痛みのない愛と世界平和を想像するこの歌を歌うことはない」との自らの誓いを破って初披露したのは、ウクライナでの想像を絶する悲劇に突き動かされたからだという。

1984年のデビュー以来、一度も披露したことのなかった「イマジン」を今回初披露したことについて、「私にできる最も効果的な方法」とジュリアンは述べており、「歌うのは世界の終わりが訪れた時だけだと言ってきました。しかし、父の歌詞は世界中の平和に対する私たちの望みを反映しています。この曲の中で私たちは愛と連帯感が現実となる空間へ、ほんの少しの間連れて行かれるからです。私たち誰もが願っているトンネルの先の光を映し出しています」と語っている。

また、「現在も続く残虐な暴力の結果、何百万人もの無実の家族が住み慣れた家を追われ、他の場所に保護を求めることを余儀なくされています」とも語り、難民支援を呼びかけた。

「スタンド・アップ・フォー・ウクライナ」には、他にもビリー・アイリッシュやマドンナ、エルトン・ジョン、ブルース・スプリングスティーンら大物アーティストが多数参加し、欧州各国や企業などから100億ドルを超える支援金を集めることに成功したと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)