「サクラ咲くら」。このタイトル、語呂合わせと思われた方もいらっしゃるのでは。でも造語ではありません! 私の地元の甲州弁を使った“正しい”表現なんです。語尾に「~ら」を付けるのは推量の表現で「週末にはサクラ咲くら(咲くだろう)」という使い方をします。語呂がいいので桜のつぼみがふっくらする頃になると、いつも思い出す方言です。

さて、みなさんは今年、桜を眺めることができましたか? 慌ただしい毎日を過ごしていると、ふと気づいたら葉桜に…なんてこともありますよね。私は幸いなことに、新潟市の満開発表があった日、取材で白山公園に行きました。風もなく過ごしやすく、まさにお花見日和。うららかな日差しに包まれ、満開に咲き誇る桜。その下で花見客がピクニックをして歓談したり、笑顔で写真撮影をしたり…まさに春らんまんでホッとする風景でした。

私にとっても桜が満開の瞬間を眺めることができたのは、人生で初めてでした。厳しい冬をじっと耐えて、春に開花した桜は大地のエネルギーに満ちあふれています。そして、パッと花開き、ハラハラと散っていく…そのはかなさが美しさでもあります。

今年、桜を眺めていて、気が付いたことがあります。それは、桜を見るためには、上を見上げなければならないということ。冬は足元を見て、雪道を1歩1歩踏みしめて歩いていましたが、春になると桜が上を向く合図をくれました。桜に背中を押された春でした。(新潟テレビ21アナウンサー)