お笑いトリオ、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが11日未明、死去したことが分かった。61歳だった。所属事務所によると、都内自宅で亡くなっているのが発見されたという。

上島さんは先月25日、都内で行われた記者発表会にダチョウ倶楽部として3人で登場していた。普段と変わらないような元気な姿を見せ、ジョークを飛ばす一幕もあった。妻への感謝や、3人での思い出も語っていた。

3人はあくまで明るいトーンでコロナ禍事情を明かし、場を和ませていた。バラエティー番組などで触れ合うことが制限され、リーダー肥後克広(59)が「やっぱり3人で触れ合っていかないといけない芸ですからね。なかなか触れ合えなくて」と切り出し、上島さんは「やってることが熱々おでんとか、熱湯風呂とかですから。けんかしてチュー、ができないからね。俺としては商売あがったりですよね」と訴えた。寺門ジモン(59)は「竜ちゃんが『押すなよ、押すなよ』って言っても、本当に押せないんですよ!」と続いた。

上島さんは94年に結婚。コロナ禍で「竜兵会」など後輩芸人との食事会や集まりが難しくなり、リモート飲み会にも挑戦したが次第に機会が減っていったという。「初めて結婚してよかったな、嫁がいてよかったな、って思いましたよ。俺の文句を聞いてくれるからね」と、冗談交じりに妻に感謝していた。

発表会では人との触れ合いの重要性をPRし、実際に相手の手をなでる「タッチング」を実践した。上島さんは寺門の手を両手で優しく触り、「お前の手は分厚いね。肉厚で」と話した。寺門は「竜ちゃんは優しいね。仲悪いグループじゃないんだけど、今まで触れていないところに触れている感じがする。心の中まで。40年以上やっていますから」としみじみ伝えていた。

その後、上島さんと寺門が言い合いになり、キスして仲直りする定番ギャグを披露。キスの直前に肥後がアクリル板を2人の間に差し出し、アクリル板越しの口づけとなった。上島さんは「アクリル板越しでも、お前の唇はよかったよ」と笑っていた。コロナ禍でも工夫した熟練の芸で笑いを誘っていた。

上島さんはあらためて、相方と手を触れ合った感想を聞かれると、「昔3人で、出たい番組のレギュラーが初めて決まった時。楽屋でこうやって手を合わせたのを思い出したよ」と円陣を組むようなジェスチャーをして、肥後と寺門と目を合わせて笑っていた。

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