作家早乙女勝元さんが10日、老衰のため埼玉県内の病院で亡くなった。90歳だった。訃報を受け、早乙女さんと親交の深かった映画監督の山田洋次氏が松竹を通じ、コメントを発表した。

早乙女さんは12歳で経験した東京大空襲の被害をまとめ、作家として多くの著書を発表。東京大空襲・戦災資料センター名誉館長を務め、戦争体験を伝え続けた。

 

以下、山田監督のコメント全文(原文まま)

 

1931年、彼は東京の下町に生まれて、かの下町大空襲の中を必死に生きのびた。同じ年に生まれて旧満州で育った僕は引揚者としてリュックひとつで日本に戻った。戦後の日本について、平和と戦争について語り合えるかけがえのない友人を失ったことを、心から淋しく思います。