NHKは18日、東京・渋谷の同局でメディア総局長会見を行い、今月7日の陸上日本選手権男子1万メートルで、中継を行う同局のカメラケーブルが、選手の首に絡まった事故についての調査結果を報告した。

NHKは、事故の状況について「1位の選手がゴールするのを第1コーナーの内側から撮影していたワイヤレスカメラ担当のカメラマンが、安全を十分に確認しないままトラックを横断しようとした」と説明。その後、送信機を背負う後方の補助スタッフに声を掛けず横断を始めたため、ケーブルが後続選手を遮る形となり、選手の首に接触したという。

カメラマンが技術責任者に事故を報告したのは、放送終了後の午後9時15分ごろだったが「接触後に選手が走りだしたため大丈夫だと思い込み、撮影を続けた」とした。

当該カメラマンは、競技中にトラックを横断した経験がなく「横断するタイミングや横断の方法について具体的に説明するべきでした」と、指示が不十分だったと説明。安全管理マニュアルの作成や研修の実施など、再発防止対策を徹底するとした。

林理恵メディア総局長は「スポーツ中継を担当する局としてあってはならないことで、極めて重く受け止めています。ケガをされた選手をはじめ、関係する皆さまに深くおわび申し上げます」と謝罪した。